vol.4 Charcot-Marie-Tooth病(CMT)

 今回は、末梢神経障害の1つであるCharcot-Marie-Tooth病(CMT)を扱う。

 

 Charcot-Marie-Tooth病(CMT)は、下肢遠位部に始まる慢性進行性の多発ニューロ
パチーを主徴とする遺伝性疾患である。様々な病型が存在するが、遺伝形式は常染色体優性遺伝が多い。原因として、末梢神経のミエリン形成に関与するPMP22(CMT1A型)、P(CMT1B型)などの遺伝子異常の頻度が高い。

 

f:id:msayuringo0827:20200727102126p:plain

 

Key Word

 下腿の筋萎縮(下垂足)、歩行障害(鶏歩

 大腿の下1/3以下の筋萎縮(シャンパンボトル型)、足の変形(凹足)

 

106A54
20歳の男性。3年前からつまずきやすくなったことを主訴に来院した。両足関節の背屈が困難で、足尖が下垂している。凹足と下腿筋萎縮とを認める。同伴した父親にも軽度の下腿筋萎縮を認める。
対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
a 短下肢装具の処方
b 神経ブロックの施行
c 経皮的電気刺激の施行
d 下肢の関節可動域訓練
e 副腎皮質ステロイドの投与

 

解説

 足尖が下垂、凹足と下腿筋萎縮 →遠位筋優位の筋力低下

 父親も同様の症状 →遺伝性疾患

 ⇒診断:Charcot-Marie-Tooth病
解答:a,d
 a:肢位の改善、関節変形防止のため。
 d:萎縮の進行を防止するため。

 

~Today's proverb~

 A word is enough to the wise. 「一を聞いて十を知る」