vol.9 家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)

今回は、末梢神経障害の1つである家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)を扱う。 家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)は、末梢神経、心臓、腎臓、消化管、眼などにアミロイドが沈着し、成人期にニューロパチーや臓器障害を起こす遺伝性疾患であ…

vol.8 視神経脊髄炎(NMO)

今回は、脱髄疾患の1つである視神経脊髄炎(NMO)を扱う。 視神経脊髄炎は、女性に多く、視神経炎と脊髄炎を特徴とする疾患である。以前は多発性硬化症(MS)の一病型と考えられていたが、アストロサイトに発現しているアクアポリン4(AQP4)に対する自己…

vol.7 Lewy小体型認知症(DLB)

今回は、Lewy小体型認知症(DLB)を扱う。 Lewy小体型認知症(DLB)は、老年期に発症し、進行性の認知機能障害とともに幻視などの特有の精神症状とパーキンソニズムを呈する神経変性疾患である。近年、疾患の認識の広がりに伴い、有病率の高さが明らかとなり…

vol.6 Parkinson病

今回は、神経変性疾患の1つであるParkinson病を扱う。 Parkinson病は、黒質の細胞が変性することにより、ドパミン産生が低下し、スムーズに体を動かせなくなる神経変性疾患である。安静時振戦、無動、筋強剛、姿勢保持障害が四大症状である。 Key Word 動作…

vol.5 Guillain-Barré症候群(GBS)

今回は、脱髄疾患の1つであるGuillain-Barré症候群(GBS)を扱う。 Guillain-Barré症候群(GBS)は、免疫・炎症性ニューロパチーの代表的疾患であり、急性の運動麻痺を主徴とする多発根ニューロパチーをきたす。自己免疫反応による末梢神経の髄鞘(Schwann…

vol.4 Charcot-Marie-Tooth病(CMT)

今回は、末梢神経障害の1つであるCharcot-Marie-Tooth病(CMT)を扱う。 Charcot-Marie-Tooth病(CMT)は、下肢遠位部に始まる慢性進行性の多発ニューロパチーを主徴とする遺伝性疾患である。様々な病型が存在するが、遺伝形式は常染色体優性遺伝が多い。原…

vol.3 Alzheimer型認知症

今回は、Alzheimer型認知症を扱う。 Alzheimer型認知症は、認知症を主体とし、肉眼的に大脳の全般的な萎縮、組織学的に老人斑、神経原線維変化の出現を特徴とする神経変性疾患である。認知症の中で最も多い65歳未満で発病した場合をAIzheimer病、65歳以…

vol.2 筋ジストロフィー

今回は、筋疾患で代表的な筋ジストロフィーを扱う。 筋ジストロフィーは、慢性・進行性に経過し、骨格筋の変性・壊死と筋力低下を主徴とする遺伝性の疾患である。Duchenne型、Becker型、肢帯型、顔面肩甲上腕型(FSH型)などがある。最も頻度の高いDuchenne…

vol.1 筋萎縮性側索硬化症(ALS)

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者に対する嘱託殺人容疑で医師2人が逮捕された、というニュースが世間を驚かせた。そもそもALSとはどのような病気なのか。まずはそこから解説しよう。 ALSは上位運動ニューロンと下位運動ニューロンの両方が障害される疾患…